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次回の展覧会

はいからモダン袴スタイル ―「女袴」の近現代―

今では大学の卒業式のスタイルとして定着している女性の袴姿。近年は小学校の卒業式でも袴を着用することが増え、注目を集めています。それではなぜ卒業式に袴を穿くのだろう、と思ったことはありませんか。
袴は明治・大正の女学生や小学生の通学服でした。女学生の袴姿はこの時代を象徴する装いとして、現代でも魅力を放ち続けています。しかし、近代教育の幕開けとともに登場した当初は、男装的な姿が「醜い」「国辱」とまでの非難を浴び着用が禁止され、その後襠の無いスカート状の「女袴」が考案されたことで広まっていった、という紆余曲折がありました。また、今では女学生のイメージが強い袴ですが、かつての宮中の女官の装束に由来し、教師、工女、医者、事務員、電話交換手など、むしろ女学生が着用していた期間よりも長く「働く女性」の装いでもありました。袴にはジェンダーレスで活動的な衣服としての側面もうかがえるのです。
女学生の袴が通学服として一般的だったのは、明治三〇年代から昭和初期のわずかな期間でした。和装から洋装へ移り行くはざまに花開いた袴姿の歴史を辿り、明治から現代までの絵、写真や袴実物等の資料を展示、その魅力や意義を紐解きます。


会   期 2026年1月3日(土)~3月29日(日)
開 館 時 間 10:00~17:00(入館は16:30までにお願いします)
休 館 日 月曜日 ※ただし1月12日、2月23日(月祝)開館
1月13日、2月24日(火)休館
料   金 一般1200円/大・高生1000円/中・小生500円
*竹久夢二美術館と併せてご覧いただけます
※ 当館でのお支払いは、現金のみです ※

 


お知らせ:

図録書籍『はいからモダン袴スタイル』

展覧会の内容をまとめた書籍『はいからモダン袴スタイル』が刊行されます。
河出書房新社より2026年1月発売予定。
ただ今予約受付中です。
▶ https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309750613/

 

会期中のイベント

担当学芸員によるギャラリートーク
1月10日(土)、1月21日(水)、2月7日(土)、2月18日(水)、3月7日(土)、3月18日(水)
いずれも14時から

 

■1月31日(土) 天真みちる×飛龍つかさトークイベント

宝塚歌劇団花組男役出身の天真みちる氏、飛龍つかさ氏をお招きしてトークイベントを開催します。

宝塚の袴について、在団中に出演された「はいからさんが通る」についてなどお話をうかがいます。

※イベントの詳細、申込方法等については、後日お知らせいたします。

 

2月28日(土) サイレント映画上映会

活動写真弁士・山内菜々子氏による語りとともに、袴姿の少女が登場する昭和5年(1930) の無声映画(サイレント映画)「鞠の行方」などをお楽しみいただきます。    

協力:株式会社マツダ映画社  

※イベントの詳細、申込方法等については、後日お知らせいたします。

 

今も色褪せぬ魅力 袴姿が登場する現代の作品も展示

袴姿が一般的だった明治、大正時代の作品だけではなく、現代の作品の原画・複製原画も展示します。


・大和和紀「はいからさんが通る」昭和51年(1976) ©大和和紀/講談社 ・高野文子「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」昭和58年(1983) ・松原秀典「桜舞」『サクラ大戦』平成8年(1996) ©SEGA
・末次由紀「ちはやふる」平成27年(2015) ©末次由紀/講談社 ・マツオヒロミ「S女学院の優等生」平成24年(2012) ・花月「和風制服乙女 袴セーラー」『現代創作和服 花月作品集』(KADOKAWA)掲載 令和3年(2021)

 

梶田半古『魔風恋風 前編』口絵
明治36年 (1903)
榊原焦園「やへかすみ かえりみち」
明治39年 (1906) (小池光雄氏蔵) 

 

竹久夢二「テニス」(『新少女』表紙絵)
大正4年 (1915)
高畠華宵「落葉の帰り路」
大正13年 (1924)